合戦浮世絵
うたがわくによし さく「かわなかじましんげんけんしんはたもとだいがっせんのず」 歌川国芳 作「川中嶋信玄謙信旗本大合戦之図」 - 刀剣ワールド

本合戦浮世絵を描いた「歌川国芳」(うたがわくによし)は、歌川派「三巨匠」(歌川国貞、歌川広重、歌川国芳)のうちのひとりです。武者絵や洋風画を取り入れた風景画などで、一世を風靡しました。
本合戦浮世絵は、「武田信玄」と「上杉謙信」が激戦した「川中島の戦い」の4戦目。武田側の軍記「甲陽軍艦」(こうようぐんかん)に基づき、信玄対謙信の一騎打ちの様子を描いています。白手拭で頭を包み、月毛の白馬(謙信の愛馬)に乗った若武者が現れ、信玄が床几(しょうぎ:腰掛け)に座っているところまで突き進み日本刀(刀剣)で切りつけましたが、信玄は軍配団扇で受けよけるのです。慌てて、「原大隅守」(はらおおすみのかみ)が若武者を突こうとして馬を突いたため、馬は驚いて走り去るのですが、その馬に乗った若武者こそが謙信だったというお話。
歌川国芳は、このエピソードを好み、上杉側の軍記に基づいた絵も描くなど、多角的にとらえ、多くの作品を残しています。大将同士の一騎打ちというスケールの大きさが、歌川国芳の絵心を幾度となく搔き立てたのだと分かるのです。