合戦浮世絵
うたがわよしつや さく「かわなかじまだいがっせんくみうちづくし うえすぎかげとら ばばみののかみ」 歌川芳艶 作「川中島大合戦組討尽 上杉景虎 馬場美濃守」 - 刀剣ワールド

本武将浮世絵は、1857年(安政4年)に出された「川中島大合戦組討尽」(全12枚)の4枚目にあたる物です。取っ組み合いをしているのは、「上杉景虎」(うえすぎかげとら)と「馬場美濃守」(ばばみののかみ:馬場信春[ばばのぶはる])の2人。
上杉景虎は、上杉謙信の養子となりましたが、上杉謙信の死後、家督争いに負けて26歳の若さで自害しました。対する馬場美濃守は武田四天王のひとりで、70回以上も戦に出ましたが、かすり傷ひとつ負わなかったことから「不死身の鬼美濃」と呼ばれています。
まるで歌舞伎の隈取のように表現された、馬場美濃守の顔が印象的。大きく見開いた目は血走っており、歯を食いしばっているためか、仁王のようにも見えるのです。
しかし、その一方で2人の両足は、ほぼ同じ形で踏ん張っています。違っているのは足袋の色だけ。頭の位置、甲冑(鎧兜)の様子も平行に引き写したかのよう。体の軸を平行に描くというテクニックで、2人の力が均衡であることを表現しています。この勝負、なかなか終わる気配がありません。
