武将浮世絵
つきおかよしとし さく「よしとしむしゃぶるい さひょうえのすけみなもとのよりとも」 月岡芳年 作「芳年武者无類 左兵衛佐源頼朝」

本武将浮世絵は、馬に乗った「源頼朝」(みなもとのよりとも)が雪景色の中で、日本刀で徒歩武者を一刀両断している場面を描写しています。
「源頼朝」と言えば、日本初の本格的武家政権となる「鎌倉幕府」を開き、その後、約700年に亘った武士による日本統治の基盤を築いた業績はあまりにも有名です。
源頼朝は、「武」よりも「政」(まつりごと)の部分について語られることが圧倒的に多い武将ですが、本武将浮世絵では武の面に着目。本図右側に配した、斬られた武者の表情と体の動きをコマ送りのように切り取った描写は、劇画のような臨場感を演出しています。
本武将浮世絵が収録されている「芳年武者无類」(よしとしむしゃぶるい)は、幕末から明治時代にかけて活躍した「月岡芳年」(つきおかよしとし)の「武者絵」(むしゃえ:歴史上の英雄などを題材とした浮世絵)のうち、傑作とされる32作品を選抜した作品集。浮世絵の需要が減退した中でも人気を誇っていた芳年には、「最後の浮世絵師」という異名もありました。
