合戦浮世絵

つきおかよしとし さく「げんぺいやしまだいがっせんのず」 月岡芳年 作「源平矢嶋大合戦之図」

源平矢嶋大合戦之図

本合戦浮世絵は、平家随一の猛将と評される「平教経」(たいらののりつね)の一撃を、「源義経」(みなもとのよしつね)が大跳躍でかわした瞬間を切り取っています。

平教経は、源氏に属する「安芸次郎」(あきじろう)を抱え込み、荒れた海に飛び込む構えです。目前で死闘を繰り広げている男達を見守るのは、幼少の「安徳天皇」(あんとくてんのう)と、抱きかかえる「平時子」(たいらのときこ:「二位尼」[にいのあま]とも呼ぶ)。劇的な構図で、生死を分ける一大決戦を描いています。

平家と源氏が覇権を奪い合う「源平合戦」で、源氏に傾きかけた流れを立て直そうと平家が再起をかけた「屋島の戦い」、「壇ノ浦の戦い」(本合戦浮世絵では「壇ノ浦の戦い」が「屋島[矢嶋]の戦い」として扱われています)は、後世の人々が語り継ぐ名場面を多く生みました。

特筆なのは、劣勢のなかで気を吐く平教経。源平の攻防で大活躍を見せる源義経に対して、恐れを抱かずに立ち向かっていき孤軍奮闘する姿に、まず視線が注がれます。宮中での暮らしに慣れ親しんだ平家の女性達は、戦況を見守るのみです。彼女らが頼みとするのは、武勇の誉れ高い平教経だけでした。しかし、激闘する平教経をあざ笑うかのように、彼の攻撃を源義経は大跳躍で宙を舞ってかわします。

「戦の天才」とされる源義経が指揮する源氏軍の猛攻に、平教経はなす術がありません。せめて一撃だけでも加えようと、死を覚悟で平教経は、安芸次郎を海中へ引きずり込みました。

幕末から明治初期に活躍し、本合戦浮世絵を手がけた「月岡芳年」(つきおかよしとし)の浮世絵は、武者や合戦の描写が躍動的です。本合戦浮世絵は、源平の攻防の一瞬をとらえ、源氏と平家の人々が織り成すドラマへと、観ている者を引き込みます。

源平矢嶋大合戦之図の浮世絵

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詳細情報

浮世絵師 月岡芳年 浮世絵の題材 壇ノ浦の戦い

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