合戦浮世絵
ようしゅうちかのぶ さく「いしやまだいがっせんのず」 楊洲周延 作「石山大合戦之図」 - 刀剣ワールド

本合戦浮世絵は、「石山合戦」を描いた1枚です。石山合戦とは、「織田信長」と石山本願寺(浄土真宗)の法主「顕如」(けんにょ)が、1570年(元亀元年)から1580年(天正8年)にかけて争った約11年間にも及ぶ戦いです。
中央にいるのは、石山方の大将「小密茶」(こみっちゃ)。その下にもぐって馬の脚を摑んでいるのが織田方の「木村又蔵」(きむらまたぞう)です。木村又蔵は「加藤清正」の家臣で、「加藤十六将」のひとりと言われる猛者。
一見、小密茶が優勢でしたが、木村又蔵が小密茶を馬から降り落とし、その首を討ち取りました。結局、石山合戦は、「正親町天皇」(おおぎまちてんのう)の仲介によって和解が成立。顕如が石山本願寺を織田信長に渡し、紀州(現在の和歌山県)に退いています。
本合戦浮世絵を描いたのは、明治時代に活躍した「楊州周延」(ようしゅうちかのぶ)。歌川国芳、三代歌川豊国(襲名前の名は歌川国貞)、豊原国周に師事。美人画、役者絵、歴史絵を得意としました。