武将浮世絵
つきおかよしとし さく「みなもとうしわかまるそうじょうぼうにぶじゅつおぼえず」 月岡芳年 作「源牛若丸僧正坊二武術覚図」 - 刀剣ワールド

本武将浮世絵は、鞍馬山に住む大天狗の「僧正坊」(そうじょうぼう)が、「牛若丸」(うしわかまる)に兵法を教えたという伝説を題材にして描いています。牛若丸(のちの源義経)は、鎌倉幕府初代将軍である「源頼朝」(みなもとのよりとも)の異母弟。1159年(平治元年)に生まれ、同年に起こった平治の乱後、捕らえられて京都の鞍馬寺(くらまでら)に預けられました。
本武将浮世絵では、僧正坊が牛若丸に稽古を付ける場面が、躍動感たっぷりに描かれています。画面中央にいるのが牛若丸。カラス天狗達と稽古に励んでおり、その様子を僧正坊がじっと見ています。画面左で日本刀を持っているのは喜三太(きさんた/きさんだ)です。「義経記」(ぎけいき)などに登場する架空の人物で、源義経の郎党とされています。
作者の「月岡芳年」(つきおかよしとし)は幕末から明治時代初期にかけて活躍した浮世絵師です。12歳のときに江戸時代後期の人気浮世絵師「歌川国芳」(うたがわくによし)の弟子となり、15歳で浮世絵師としてデビューしました。武者絵の他、妖怪画や美人画、故事を題材とした作品を数多く発表しています。