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うたがわとよくに さく「おだのゆきみつぎのたまもの」 歌川豊国(三代) 作「小田雪貢賜」 /ホームメイト

刀・槍・薙刀を持った武士たちが入り乱れる本役者浮世絵は、一見「本能寺の変」を描いた合戦浮世絵に見えますが、人物の顔に表された意匠から、「小田雪貢賜」(おだのゆきみつぎのたまもの)と題する歌舞伎の演目であることが分かります。
本役者浮世絵の右手側には、役名「小田春永」(おだはるなが)こと「織田信長」がおり、左手側で床几(しょうぎ:折り畳み式の腰掛)に座っている武将が、役名「武智光秀」(たけちみつひで)こと「明智光秀」です。1850年(嘉永3年)の作品と見られていますが、江戸時代に織田信長を主人公にした演目が行なわれるのは珍しいと言われています。
本役者浮世絵の制作者は、「歌川豊国(三代)」(うたがわとよくに)。江戸時代後期に活躍した浮世絵師で、多作であったことで知られ、とりわけ役者浮世絵や美人画において優れた腕前を発揮し、人気を博しました。