- 役者絵
- 役者絵とは
うたがわとよくに さく「おくがたあやのだい ちくぜんのかみひさよし
(とよとみひでよし)いしかわごえもん」
歌川豊国(三代) 作「奥方綾乃台筑前守久吉
(豊臣秀吉)石川五右衛門」 /ホームメイト

「豊臣秀吉」が天下を統一した安土桃山時代、「石川五右衛門」(いしかわごえもん)は、権力者や富豪を狙う義賊として暗躍。一般庶民から人気を博し、江戸時代には歌舞伎や浄瑠璃の演目にもなっています。
さらに、創作上の武士で忍者でもある「百地三太夫」(ももちさんだゆう)の弟子となり、伊賀流忍術を学んだという設定も取り入れられ、歌舞伎の舞台でも披露されました。
本役者浮世絵では、「坂東彦三郎」(ばんどうひこさぶろう)が演じる「筑前守久吉」(ちくぜんのかみひさよし)こと豊臣秀吉と、「岩井粂三郎」(いわいくめさぶろう)が演じる奥方の「綾乃台」に、「市川左団次」(いちかわさだんじ)の石川五右衛門が忍術を使って襲い掛かろうとしている場面が描かれています。筑前守久吉も綾乃台も刀を手に取り身構えています。
この奇想天外な舞台を描いたのは、江戸時代末期に活躍した浮世絵師「歌川豊国(三代)」(うたがわとよくに)です。作画期間が長かったと伝えられる歌川豊国(三代)は、「役者絵」や「美人画」など、多くの作品を残しました。