- 役者絵
- 役者絵とは
うたがわとよくに さく「やまなかしかのすけ にっきだんじょうなおのり
いづつげきざえもん ほそかわかつもと」
歌川豊国(三代) 作「山中鹿之助 仁木弾正直則
井筒外記左衛門 細川勝元」 /ホームメイト

本役者浮世絵は、「伊達騒動」を題材とした歌舞伎の舞台を描いています。「伊達騒動」とは、江戸時代前期に伊達家が治める仙台藩(現在の宮城県仙台市)で起こったお家騒動です。
本役者浮世絵が描かれた当時、1573年(天正元年)以降の歴史的な出来事をそのまま表現することは、江戸幕府によって禁止されていました。そのため、登場人物の名前も、架空の人物名に置き換えられています。
脇差を持って今まさに斬り付けんとしている「仁木弾正」(にっきだんじょう)のモデルとなったのは仙台藩家老の「原田甲斐」(はらだかい)。演じているのは「市川海老蔵」(いちかわえびぞう)です。扇で刃を受け止めんとしている「井筒外記左衛門」(いづつげきざえもん)のモデルは「伊達安芸」(だてあき)で、「関三十郎」(せきさんじゅうろう)が演じました。
その他、「尾上松助」(おのえまつすけ)演じる「山中鹿之助」(やまなかしかのすけ)こと「山中幸盛」(やまなかゆきもり)と、「沢村長十郎」(さわむらちょうじゅうろう)演じる「細川勝元」(ほそかわかつもと)こと「板倉重昌」(いたくらしげまさ)が登場。緊迫感のある筆致で刃傷場面が表現されています。
本役者浮世絵の作者は、江戸時代末期に活躍した浮世絵師「歌川豊国(三代)」(うたがわとよくに)。「役者絵」や「美人画」を得意とし、数多くの傑作を残しました。