- 役者絵
- 役者絵とは
ようしゅうちかのぶ さく「あかしかもんのすけ ばんどうかきつ さなだゆきむら
いちかわだんじゅうろう どいやごろう なかむらしかん」
楊洲周延 作「明石掃部之助 坂東家橘 真田幸村
市川團十郎 土井弥五郎 中村芝翫」 /ホームメイト

本役者浮世絵では、3人の役者の姿が描かれました。3人とも日本刀を身につけ、戦支度をしています。
画面中央の人物が「市川團十郎」(いちかわだんじゅうろう)演じる戦国武将「真田幸村」(さなだゆきむら)。脇に大筒(おおづつ)を抱えているのが印象的です。右側にいるのは「坂東家橘」(ばんどうかきつ)演じる「明石掃部之助」(あかしかもんのすけ)。「宇喜多秀家」(うきたひでいえ)に仕え、大坂の陣では真田幸村らと活躍しました。左側には「中村芝翫」(なかむらしかん)演じる「土井弥五郎」(どいやごろう)が描かれています。
引き締まった表情と、それぞれがまとった着物にも目が惹かれる作品です。色調は似ていますが、よく見ると模様が異なっていることがわかります。背後の色鮮やかな紅葉にも負けず、華やかです。
作者の「楊洲周延」(ようしゅうちかのぶ)は、幕末から明治時代にかけて活躍した浮世絵師です。「歌川国芳」(うたがわくによし)、「歌川国貞」(うたがわくにさだ)、「豊原国周」(とよはらくにちか)に師事しました。戦争絵や美人画、歴史画など、様々なジャンルの作品を手掛けています。
■コラム 安土桃山時代の刀剣 -古刀と新刀-
刀剣の歴史において、慶長(1596年~1615年)年間以前の刀を古刀、以後の刀を新刀と呼んでいます。