- 役者絵
- 役者絵とは
うたがわとよくに さく「どすいせいのひとうけにいる」 歌川豊国(三代) 作「土水性の人 有卦に入る」 /ホームメイト

本役者浮世絵は、1858年(安政5年)の5月に、「有卦」(うけ:幸運が7年間続くという年回り)に入る、土性と水性の人々が描かれた「有卦絵」(うけえ:有卦に入る人へのお祝いとして贈られた縁起絵)というもの。
有卦絵は、仏教における「七福即生」(しちふくそくしょう:7難が滅することによって得られる7種の幸福)の思想に基づき、画中には富士山、ふぐ、福禄寿、福寿草、船、筆、瓢(ふくべ)など、「ふ」の付くモチーフが7つ描かれますが、本絵図では、描かれた人それぞれが「ふ」の付くものを手にしています。
本絵図に描かれた人は、当時の役者も含まれますが、1858年(安政5年)時点で、すでに故人である赤穂浪士のひとりや、読本作者「曲亭馬琴」(きょくていばきん)の「南総里見八犬伝」における登場人物などの架空の人物も描かれました。よく見ると刀を差している人物も数人描かれています。
本役者浮世絵の作者「歌川豊国(三代)」(うたがわとよくに)は、別号を初代「歌川国貞」(うたがわくにさだ)と言い、粋で艶やかな「美人画」や「役者絵」で人気を博した浮世絵師です。
なお、役者絵に関しては、「役者絵の国貞」と異名を取るほどで、多くの作品を世に送り出し、江戸時代末期の浮世絵界を牽引しました。