- 明治天皇浮世絵
あだちぎんこう さく「ぎんこんしきしゅくてんのず」 安達吟光 作「銀婚式祝典之図」 /ホームメイト

本明治天皇浮世絵の画題は、明治天皇と昭憲皇太后(しょうけんこうたいごう)の銀婚式です。宮中での式典の様子を描いています。
中央の壇上に立っているのが明治天皇。画面左、ピンク色のドレスを着て椅子に座っている女性が昭憲皇太后です。周囲には多くの人々が控えています。室内にはシャンデリアや西洋式の時計が描かれ、豪奢な装飾が目を引く作品です。
1894年(明治27年)3月9日に、明治天皇の銀婚式である「大婚二十五年祝典」が行われました。この祝典をきっかけにして、結婚記念日を祝う習慣が広まったとされています。この式典では、銀で作られた屏風や花瓶など、銀婚式にちなんだ品々が使われました。また、このときには日本で最初の記念切手が発行されています。2銭と5銭の2種類で、中央には菊花紋があしらわれました。
作者の安達吟光(あだちぎんこう)は、明治時代に活躍した浮世絵師です。本名は安達平七、初号は松雪斎銀光(しょうせつさいぎんこう)、のちに吟光と改めます。日清戦争などの戦争絵、役者絵、美人画などを手がけました。
■明治天皇と刀剣
明治天皇は愛刀家として知られ、多くの名刀が献上されています。そのうちの1振が大和国(現在の奈良県)の刀工「天国」(あまくに)作と伝わる「小烏丸」(こがらすまる)です。明治天皇に献上され、現在は御物(ぎょぶつ)となっています。