- 明治天皇浮世絵
ようさいのぶかず さく「こういごたいれいのず」 楊斎延一 作「高位御大礼之図」 /ホームメイト

本明治天皇浮世絵の題名にある「御大礼」(ごたいれい)とは、新たな天皇の践祚(せんそ:皇位を継承すること)から即位式、大嘗祭(だいじょうさい)まで、一連の皇位継承儀礼全般のことを指します。大嘗祭とは、天皇即位後にはじめて行う新嘗祭(にいなめさい:その年の収穫を祝い、翌年の豊穣を祈願する祭儀)のことです。
本明治天皇浮世絵においては、奥の机を前にしている軍服姿の人物が「明治天皇」(めいじてんのう)であると伝えられています。
作者の「楊斎延一」(ようさいのぶかず)は、「楊洲周延」(ようしゅうちかのぶ)の門人となり、明治時代後期を中心に活躍しました。「日清戦争」、「日露戦争」などの「戦争絵」を得意として名を上げた他、憲法や国会関係、博覧会を題材とした作品、「名所絵」、「美人画」なども多く手がけています。
■愛刀家として知られる明治天皇
明治天皇は愛刀家としても有名で、コレクションは「古刀」(ことう)、「新刀」(しんとう)を中心におよそ300振と言われています。その中には、鎌倉時代中期の名工「粟田口吉光」(あわたぐちよしみつ)の太刀「一期一振」(いちごひとふり)や、短刀「平野藤四郎」(ひらのとうしろう)、「景光」(かげみつ)作の国宝「小竜景光」(こりゅうかげみつ)、「国永」(くになが)作で伊達家に伝わっていた「鶴丸国永」(つるまるくになが)など、そうそうたる名刀が多数含まれているのです。