- 明治天皇浮世絵
せいさいよしむら さく「あかさかかりこうきょごしゅつもんのず」 静斎芳邨 作「赤坂仮皇居御出門之図」 /ホームメイト

本明治天皇浮世絵で描かれたのは、明治天皇が「赤坂仮皇居」(あかさかかりこうきょ)から出かける場面。手前の馬車に明治天皇、後ろの馬車に皇后らが乗っています。その周囲にいるのは、軍刀や銃を持った軍人達。本絵図の左側には日の丸の国旗を持ち、外出の様子を見る人々の姿もあります。
赤坂仮皇居とは、1873年(明治6年)に「皇城」(こうじょう:旧江戸城)が焼失したため、赤坂にあった紀州徳川家の屋敷(赤坂邸)を整備して天皇の住まいとした建物です。
「赤坂邸」(現在の赤坂御用地:東京都港区)は、1632年(寛永9年)に紀州徳川家が拝領した土地に建てられていました。紀州藩の江戸屋敷は、赤坂邸の他に「麹町邸」(こうじまちてい)、「千駄ヶ谷邸」(せんだがやてい)などがあります。
作者の「静斎芳邨」(せいさいよしむら)は幕末から明治時代にかけて活動した浮世絵師。幕末の人気浮世絵師であった「歌川国芳」(うたがわくによし)の門人です。のちに「南蘋派」(なんぴんは:日本画流派のひとつ。中国・清の画家「沈南蘋」(しんなんぴん)の影響を受けており、花鳥画が特色)を学びました。