- 明治天皇浮世絵
ようしゅうちかのぶ さく「やまとにしきはるのことぶき」 楊洲周延 作「倭錦春乃寿」 /ホームメイト

本明治天皇浮世絵は、「明治天皇」がのぞまれた「春乃寿」(はるのことぶき)、つまり「春季皇霊祭」(しゅんきこうれいさい)の様子を描いています。
春季皇霊祭とは、宮中の皇霊殿で行われる皇室祭祀のひとつ。天皇が歴代天皇・皇后・皇親の霊を祭る儀式のことです。3月に行われ、第二次世界大戦前は国の祭日でしたが、戦後からは「春分の日」として国民の祝日となっています。
「高御座」(たかみくら)に座しておられるのは、赤と黒の立派な大礼服(たいれいふく:洋服の礼装)を着用した明治天皇で、右におられるのは、美しい御五衣(おんいつつぎぬ:皇族女性の正装で十二単)を身に纏った「昭憲皇太后」(しょうけんこうたいごう)です。
明治天皇の前には、長柄(ながえ:長い柄のある酒器)や三方(さんぽう:神饌を載せる台)を携えた3人の官女が並び、とても華やか。宮庭には、梅の花が咲き誇り見事です。
本明治天皇浮世絵を描いたのは、「楊洲周延」(ようしゅうちかのぶ)。「歌川国芳」(うたがわくによし)、「歌川豊国(三代)」(うたがわとよくに)、「豊原国周」(とよはらくにちか)に師事し、国周の一字を取って「周延」と名乗りました。美人画、宮廷画を多く描き、高く評価されています。