- 明治天皇浮世絵
はせがわさだのぶ さく「じんむてんのうごそくい」 長谷川貞信(二代) 作「神武天皇御即位」 /ホームメイト

本明治天皇浮世絵は、「明治天皇」のご即位の場面を描いたものです。左上の詞書(ことばがき:浮世絵などの絵巻物に添えられる説明文)によれば、明治天皇は忠誠を誓った諸将に褒賞を与えられたと伝えられています。
明治天皇の即位の礼は、御所(現在の京都御所)紫宸殿(ししんでん)にて、1868年(慶応4年)8月27日に行われました。当初は、前年11月を予定していましたが、政治・社会の動乱期であり、準備が充分でなかったことから延期されたのです。
画題は「神武天皇御即位」となっていますが、中央で3人並んでいる武将の家紋が薩摩藩(さつまはん)島津氏(しまづ)、長州藩(ちょうしゅうはん)毛利氏(もうり)、土佐藩(とさはん)山内氏(やまのうち)のものであることから、明治天皇のご即位の場面であることが伺えます。島津氏の家紋は「丸に十文字」、毛利氏は「一文字に三つ星」、山内氏は「丸に土佐柏」。画面右奥の台座に座り刀剣を差しているのが明治天皇です。
作者の「長谷川貞信(二代)」(はせがわさだのぶ)は明治時代に活躍した浮世絵師。「初代 長谷川貞信」の長男で、錦絵新聞や西南戦争を題材にした錦絵を多く手がけました。