- 明治天皇浮世絵
ようさいのぶかず さく「ぎんこんしきたいてんのごぎしき」 楊斎延一 作「銀婚式大典之御儀式」 /ホームメイト

本明治天皇浮世絵は、明治天皇・皇后の銀婚式の様子を描いています。
画面右の赤い馬車に乗っているのが明治天皇と皇后です。その後ろには多くの馬車が連なっています。背景は皇城(こうじょう:旧江戸城、現在の皇居)。旗や日の丸の国旗など様々な装飾が施され、華やかな式典の様子が窺えます。
明治天皇の銀婚式である「大婚25年祝典」は、1894年(明治27年)3月に行われました。この祝典をきっかけにして、結婚記念日を祝う習慣が広まったとされています。
また、このときには日本で最初の記念切手が発行されました。2銭切手と5銭切手の2種類が作られており、大きさは当時の普通切手の約2倍。中央に菊花紋があしらわれ、その周りには「IMPERIAL WEDDING 25 ANNIVERSARY」と発行趣旨が記されています。
作者の「楊斎延一」(ようさいのぶかず)は明治時代に活躍した浮世絵師です。活動期間は1887年(明治20年)頃~1907年(明治40年)頃までの約20年間。「楊洲周延」(ようしゅうちかのぶ)の門人で、美人画や風俗画を多く手がけました。
■コラム 明治時代の刀剣 -廃刀令-
1876年(明治9年)3月28日、廃刀令が発令。軍人や警察官など一部を除いて刀剣の携帯が禁止されました。本浮世絵では、馬車の先頭にいる人物がサーベルを佩刀している姿が描かれています。