- 明治天皇浮世絵
ようしゅうちかのぶ さく「いせだいじんぐうしんぜんのず」 楊洲周延 作「伊勢大神宮神前ノ図」 /ホームメイト

本明治天皇浮世絵は、明治天皇が伊勢神宮(現在の三重県伊勢市)を親拝(しんぱい:天皇自身が参拝すること)したときの様子を描いた作品です。
画面中央の、肩章(けんしょう:衣服の肩先に付ける飾り)がついた衣服を身に着け、腰に刀を差している人物が明治天皇。その周囲には明治天皇に随行する人々が描かれています。かなりの人数がおり、階段下まで列をなしていますが画面に入りきっていません。
その他、画面右奥には「和琴」(わごん:雅楽で用いられる日本固有の弦楽器。倭琴(やまとごと)とも言う)を、左手前には「笙」(しょう:雅楽で用いられる管楽器。和音を演奏する)、「篳篥」(ひちりき:雅楽や神楽などで用いられる、主旋律を演奏する管楽器)を演奏する楽師達の姿もあります。
作者の「楊洲周延」(ようしゅうちかのぶ)は、幕末から明治時代にかけて活躍した浮世絵師です。「歌川国芳」(うたがわくによし)、「3代目歌川豊国」(うたがわとよくに)、「豊原国周」(とよはらくにちか)に学びました。美人画を得意とし、風俗画も手掛けています。
■コラム 明治時代の刀剣 -帝室技芸員-
帝室技芸員は、1890年(明治23年)に皇室による美術工芸家の保護・制作活動の奨励を目的として設けられた制度です。帝室技芸員に任命された刀工には、「宮本包則」(みやもとかねのり)、「月山貞一」(がっさんさだかず)がいます。