- 名所浮世絵
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うたがわひろしげ さく「しょこくめいしょひゃっけい いせみやがわのわたしば」 歌川広重(二代) 作「諸国名所百景 伊勢宮川の渡し場」 /ホームメイト

本名所浮世絵は、1860年(万延元年)に描かれた、「歌川広重[二代]」によるシリーズ作品「諸国名所百景」の1作です。本名所浮世絵に描かれているのは、伊勢国(現在の三重県東部)を流れる「宮川」の渡し場。
三重県伊勢市には現在、「度会橋」(わたらいばし)と呼ばれる橋が架けられていますが、この名所浮世絵が描かれた当時はまだ橋がありませんでした。そのため、「伊勢神宮」(三重県伊勢市)へ訪れた人びとは、渡し船に乗って対岸へ渡っていたのです。
本名所浮世絵の背景に描かれている山は「朝熊山」(あさまやま)。朝熊山は、伊勢志摩を代表する霊山で、1927年(昭和2年)には「日本百景」(日本を代表する100ヵ所の景勝地)のひとつに選ばれました。現在でも、山頂付近は初日の出の名所として有名。「朝熊山頂展望台」では毎年、初日の出を見に訪れた観光客へ「朝熊山初日の出汁」が振舞われます。
本名所浮世絵の制作者は、江戸時代末期から明治時代初期にかけて活躍した浮世絵師・歌川広重(二代)。歌川広重(二代)は、美人画や花鳥画をはじめ、武者絵、風景画、横浜絵(異国文化に染まった横浜を題材とした浮世絵)など、様々な題材の浮世絵を描きました。
