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つるたごろう さく「なごやじょう」 鶴田吾郎 作「名古屋城」 /ホームメイト

本名所(風景)浮世絵は、1936年(昭和11年)に画家「鶴田吾郎」(つるたごろう)が描いた「名古屋城」。名古屋城は、1609年(慶長14年)に「徳川家康」が天下普請(てんかぶしん:江戸幕府が全国の諸大名に対して命じた、築城などの土木事業のこと)の折に築城した日本の城です。
名古屋城の象徴と言えば、大天守の頂上にある「金の鯱」(しゃちほこ)。熊本県の「熊本城」、及び大阪府の「大阪城」と並んで「日本三大名城」に数えられる城ですが、1945年(昭和20年)の名古屋大空襲により、天守や櫓、門などの大部分を焼失しました。
本名所(風景)浮世絵は、焼失する前の名古屋城を描写した貴重な絵図であり、現在の名古屋城がほとんど変わらない姿で復元されていることを伝える史料とも言えます。
作者の「鶴田吾郎」は、東京出身の画家。中学校中退後に、洋画研究所を転々として絵画の基礎を身に付けたのち、「夏目漱石」の名作「我輩は猫である」の挿絵を描いた画家「中村不折」(なかむらふせつ)に師事して油絵を学びました。作品の傾向としては、風景画が多く見られます。その一方で、「神兵パレンバンに降下す」をはじめとした戦争記録画の制作も行っており、現代でも鶴田吾郎の戦争画を模倣した作品が発表されるなど、現代美術作家に影響を与える画家として有名です。
