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かわせはすい さく「なごやじょう」 川瀬巴水 作「名古屋城」 /ホームメイト

本名所浮世絵は、「川瀬巴水」(かわせはすい)氏が、1932年(昭和7年)に描いた「名古屋城」(現在の愛知県名古屋市中区)です。
したがって、1945年(昭和20年)「名古屋大空襲」で天守閣が焼失する前に描かれた風景。名古屋城のシンボルである黄金の鯱(しゃちほこ)が左右にそびえる絶好のアングルで、城下のお堀には睡蓮が白い花を咲かせ葉も青々と茂るのどかで美しい1枚です。
川瀬巴水氏は、「新版画」を確立した大正・昭和期の浮世絵師。日本各地を旅行して描く風景版画が得意で、「昭和の広重」とも呼ばれました。優しくぬくもりのある叙情的な世界観が、欧米でも高く評価されています。
「名古屋城」は、1521~1528年(応永年間)に武将「今川氏豊」(いまがわうじとよ)が築城し、1535年(天文4年)に「織田信長」の父「織田信秀」が奪い「織田信長」も居城したのち廃城に。その後、1609年(慶長14年)に「徳川家康」が再び築城しました。しかし、第2次世界大戦中に起こった「名古屋大空襲」で天守閣が焼失。1959年(昭和34年)に鉄筋コンクリート建築で再建されましたが、2018年(平成30年)5月に老朽化のために閉館しました。
2022年(令和4年)12月、総費用を約500億円掛け、昔の資料をもとに木造建築で完全復元される予定。川瀬巴水が描いたような、木造建築ならではの温かみのある名古屋城の表情が楽しめるようになるかもしれません。
