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うたがわさだひで さく「いせごせんぐうのず」 歌川貞秀 作「伊勢御遷宮之圖」 /ホームメイト

本名所浮世絵は、通常は一般の目に触れることのない、「伊勢神宮」(三重県伊勢市宇治館町)で行われる「式年遷宮」の様子を詳細に描いた貴重な1枚です。
式年遷宮とは、社殿を造り替える神座を遷す儀式のこと。伊勢神宮の式年遷宮は、20年に一度、「内宮」と「外宮」(三重県伊勢市豊川町)の正宮の正殿と、それに連なる別宮の社殿を造り替える、日本で一番規模の大きな式年遷宮です。
天武天皇のご発意からはじまり、690年(持統5年)「持統天皇」(じとうてんのう)の治世に第1回目が行われました。現在に至るまでに、中断や延期などもありましたが、約1300年の歴史を持つ伝統ある儀式。伊勢神宮以外では、「上賀茂神社」(京都市北区)や「住吉大社」(大阪市住吉区)などでも式年遷宮を行いますが、式年遷宮と言えば伊勢神宮を指すことがほとんどです。
本浮世絵を描いた「玉蘭齋貞秀」(ぎょくらんさいさだひで)は、「五雲亭貞秀」(ごうんていさだひで)や「歌川貞秀」(うたがわさだひで)とも名乗る浮世絵師。「歌川国貞」(うたがわくにさだ)の門人で、「横浜絵」を得意とし、精緻な鳥瞰目線の一覧図や合巻図を描いたことで知られています。