- 名所浮世絵
- 名所絵とは
うたがわさだひで さく「いせごせんぐうさんけいぐんしゅうのず」 歌川貞秀 作「伊勢御遷宮參詣群集之圖」 /ホームメイト

本名所浮世絵は、二見ヶ浦から五十鈴川を含んだ「伊勢神宮」を俯瞰した姿で描いたもの。20年に一度、伊勢神宮で行われる「式年遷宮」(しきねんせんぐう:ご社殿やご神宝をはじめ、すべてを新調し、大御神に新宮へお遷りいただく、神宮最大の祭事)において、一般参詣者で賑わう様子が描かれています。
本絵図には内宮のみならず、外宮までの各社の所在地が細かに書き入れられ、一種の観光案内図となっており、伊勢神宮参詣への観光促進となりました。
本絵図の作者「玉蘭齋貞秀」(ぎょくらんさいさだひで)は、別名「歌川貞秀」とも言い、江戸時代後期から明治時代にかけて活動した浮世絵師です。本絵図のように精緻な俯瞰図を得意とし、1868年(明治元年)の絵師番付において、第1位を獲得するほどの人気を博しました。1867年(慶応3年)のパリ万博では、幕府出品の浮世絵総代絵師として出品しており、高い評価を得ています。