- 合戦浮世絵
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うたがわくにひさ さく「おうしゅうたかたちおおかっせん」 歌川国久(二代) 作「奥州高館大合戦」 /ホームメイト

本合戦浮世絵は、1189年(文治5年)の「奥州合戦」(おうしゅうかっせん:鎌倉幕府初代将軍[源頼朝:みなもとのよりとも]が、奥州藤原氏を攻めて滅ぼした戦い)の際、奥州藤原氏の軍勢は、鎌倉の軍勢を迎え撃つため「高館城」(たかだてじょう:現在の宮城県名取市)に立て籠ったとされる逸話をもとに描かれたと考えられます。
本合戦浮世絵の中央に描かれた人物は、奥州藤原氏の武将である「蹄五郎高衡」(ひづめごろうたかひら)。長い金砕棒(かなさいぼう)を武器として戦っている姿が印象的です。その周囲には薙刀(なぎなた)や日本刀を持って戦う武士達がいます。
画面右奥の橋上には、馬に乗って逃れようとしている「源義経」(みなもとのよしつね)とその従者達の姿も描かれました。遠近感のある構図で、迫力があります。
作者の「歌川国久[二代]」(うたがわくにひさ)は、幕末から明治時代にかけて活躍した浮世絵師です。別号は「一陽斎」(いちようさい)、「一雲斎」(いちうんさい)など。「歌川豊国[三代]」(うたがわとよくに)に学びました。役者絵や横浜絵(よこはまえ:1859年に開港した横浜の様子や、外国人居留地などを題材として描かれた浮世絵)を手掛けています。
■浮世絵に描かれた刀剣 -薙刀-
薙刀は、平安時代に登場した柄(え)の長い武器。南北朝時代まで主要な武器として使われました。