- 武将浮世絵
- 武者絵とは
うたがわよしつや さく「かいどうまるげんぷくのず」 歌川芳艶 作「怪童丸元服之図」 /ホームメイト

本武将浮世絵の左端で、うやうやしく刀剣を頭上に掲げている幼子は、平安時代中期の武将「源頼光」(みなもとのよりみつ)に見出されていた「金太郎」です。
金太郎は「坂田公時/坂田金時」(さかたのきんとき)の幼名であり、童話である「金太郎」のモデルとされる、半ば伝説上の人物。
のちに坂田公時と共に「頼光四天王」と称される源頼光の3人の家臣、①「渡辺綱」(わたなべのつな)・②「碓井貞光」(うすいのさだみつ)・③「卜部季武」(うらべのすえたけ)が、金太郎の元服を見守っています。
幼い金太郎は後世で武勇の象徴とされ、「怪童丸」(かいどうまる)の名前で歌舞伎や浄瑠璃の様々な作品に登場。歌舞伎作品の「土蜘」(つちぐも)では、源頼光と坂田公時を含む四天王が取り上げられています。
本武将浮世絵の制作者は、江戸時代末期の浮世絵師である「歌川芳艶」(うたがわよしつや)です。同時代を代表する浮世絵師「歌川国芳」(うたがわくによし)に師事し、多数いた門下生のなかでも、師が得意としていた「武者絵」の才能を最も良く受け継いだ浮世絵師として評価されています。
■源頼光にまつわる伝説の刀剣・童子切安綱
5振の名刀「天下五剣」のひとつに、「童子切安綱」(どうじぎりやすつな)と称される太刀があります。その号である「童子切」は、源頼光が鬼王の「酒吞童子」(しゅてんどうじ)を討ち取った際に、この刀剣を用いて首を切り落とした伝説から付けられました。