- 武将浮世絵
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ようしゅうちかのぶ さく「せつげっか そうしゅう かまくらのつき おおもりひこしち」 楊洲周延 作「雪月花 相州 鎌倉月 大森彦七」 /ホームメイト

本武将浮世絵は「太平記」(たいへいき)の一幕であり、南北朝時代の武士「大森盛長」(おおもりもりなが)が、「金蓮寺」(愛媛県松山市)へ向かう道中の矢取川にて「鬼女」に遭遇した場面を描いています。
大森盛長は、1336年(建武3年)に起きた「湊川の戦い」で「楠木正成」(くすのきまさしげ)を討ち取った伝説を持つ人物。鬼女は、楠木正成による怨霊の化身とされています。大森盛長には鬼女の姿は見えないようで、川面に映る鬼女に眉毛をぐっと上げて睨みを利かせている様子が印象的です。
本武将浮世絵の作者「楊洲周延」(ようしゅうちかのぶ)は、江戸時代後期から明治時代にかけて活躍した浮世絵師になります。美人画や開化絵、武者絵を多数描き、なかでも美人画や風俗画などを得意としました。のちの1884年(明治17年)に開催された第2回「内国絵画共進会」では、「人物」と「景色」で賞を取っています。
■楠木正成が所持した小竜景光
本武将浮世絵にて、怨霊の化身となっている楠木正成は名刀「小竜景光」(こりゅうかげみつ)を所有した人物として知られている武将です。刀工「景光」によって鍛えられた本刀は、鎺下(はばきした)にある倶利伽羅竜の彫物が、まるで覗いているように見えることから「覗き竜景光」とも呼ばれます。
