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きたがわうたまろ さく「かとうきよまさ」 喜多川歌麿 作「加藤清正」 /ホームメイト

本武将浮世絵は、「朝鮮出兵」時の「加藤清正」(かとうきよまさ)が、宴(うたげ)に興じる様子を描いた作品だと言われています。
「前立」(まえたて)に、家紋である「蛇の目紋」(じゃのめもん)をあしらった兜をかぶり、具足姿で軍扇を手にした加藤清正の眼前で、異国情緒漂う服装の女性2人が唄と舞を披露している様子を描写。その様子を眺める加藤清正の猛将らしからぬ緩んだ表情が印象的です。
太刀が背後に立て掛けてあることから、くつろいでいる様子も窺えます。
本武将浮世絵の作者「喜多川歌麿」(きたがわうたまろ)は、江戸時代の浮世絵師。特に「美人画」の名手として世界的な人気・知名度を誇っています。喜多川歌麿は晩年に、手鎖50日の仕置を受けていますが、これは1804年(文化元年)、「絵本太閤記」が絶版となる原因のひとつとなる挿絵を描いたためだと言われているのです。
これらの作品は、武将の姿を滑稽に描いていることに加え、好色的な内容が盛り込まれていたことが、倫理的・風紀的に好ましくないと考えられました。その中に、本武将浮世絵と同じ構図の絵が含まれていたとも言われているのです。
幕府からの「圧力」にも臆することなく描き続けた、喜多川歌麿の気概を感じ取ることのできる1枚であると言えます。
