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うたがわさだひで さく「かんぐんだいしょうり」 歌川貞秀 作「官軍大勝利」 /ホームメイト

本合戦浮世絵は、「歌川貞秀」(うたがわさだひで)が、1577年(天正5年)に起きた「信貴山城の戦い」(しぎさんじょうのたたかい)を描いた作品です。
信貴山城の戦いとは、織田信長と松永久秀が争った信貴山城における戦のこと。「織田信長」の家臣だった「松永久秀」(まつながひさひで)は、謀反を起こしたものの失敗に終わり、信貴山城(しぎさんじょう/奈良県生駒郡)に立て籠もります。織田軍に囲まれた松永久秀は、織田信長が欲しがっていた名茶器として名高い「平蜘蛛釜」(ひらぐもがま)を叩き割り、城に火を放って自害しました。
本合戦浮世絵では、右側に描かれている松永久秀の息子「松永小次郎」(まつながこじろう)が松永久秀の首を手に持ち、自らの喉に刀を突き差して火の中へ飛び込む壮絶な最期を、鳥瞰図式(ちょうかんずしき:上空から見下ろしたような図式)を用いて、臨場感たっぷりに描いています。
作者の歌川貞秀は、江戸時代後期から明治時代にかけて活躍した浮世絵師です。「歌川国貞」(うたがわくにさだ)に弟子入りし、弱冠14歳で挿絵を描きました。緻密で鳥瞰図式の一覧図や合戦挿絵などを得意とし、「横浜絵」(よこはまえ)の第一人者として知られています。