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ようしゅうちかのぶ さく「げんぺいせいすいき きゅう たいらのあつもり」 楊洲周延 作「源平盛衰記 九 平敦盛」 /ホームメイト

本武将浮世絵で描かれたのは、鎌倉時代に成立したと考えられる軍記物語「源平盛衰記」(げんぺいせいすいき/げんぺいじょうすいき)の一場面。「源平盛衰記」は、源氏と平氏の争乱を描いた「平家物語」の異本の一種と考えられており、源氏に関する内容や仏教説話、故事などが増補されました。
本武将浮世絵は、平安時代末期の武将「平敦盛」(たいらのあつもり)が、「一ノ谷の戦い」で「熊谷直実」(くまがいなおざね)に討ち取られる場面を描いています。兜を取り、海岸に座っているのが平敦盛。その背後に立ち、厳しい表情で日本刀を構え、今にも首をはねようとしているのが熊谷直実です。
「平家物語」では「敦盛の最後」と題し、熊谷直実が自分の息子と同じ年頃の平敦盛を涙ながらに討つ様子を描いており、名場面として知られています。のちに謡曲や浄瑠璃、歌舞伎の題材にもなりました。
作者の「楊洲周延」(ようしゅうちかのぶ)は、幕末から明治時代にかけて活躍した浮世絵師です。
はじめ「歌川国芳」(うたがわくによし)に学び、次いで「歌川国貞」(うたがわくにさだ)、「豊原国周」(とよはらくにちか)の門人となりました。美人画や開化絵など、様々な作品を手がけています。
