- 合戦浮世絵
- 刀剣浮世絵
- 合戦絵とは
うたがわよしとら さく「せいしゅうながしまかっせんのず」 歌川芳虎 作「勢州長嶋合戦之図」 /ホームメイト

本合戦浮世絵は、伊勢長島の一向一揆(いっこういっき)を題材としています。これは、伊勢国長島(現在の三重県桑名市)を中心とした地域で1570年(元亀元年)から1574年(天正2年)にかけて起こった戦い。戦国武将「織田信長」(おだのぶなが)と、本願寺(ほんがんじ)の僧侶や門徒の農民達が争いました。
本合戦浮世絵で描かれたのは、織田信長軍と本願寺勢力が激しく交戦している様子。矢が飛び交い、鮮やかな甲冑を身に着けた武将達が大きく日本刀を振るって戦う姿は迫力満点です。
画面中央の「面壽笙介」と書かれた人物は、織田信長の家臣「柴田勝家」(しばたかついえ)に仕えた「毛受家照」(めんじゅいえてる)のことと考えられます。また、画面右上の「内家下智入道卜膳」は、織田信長に仕えた「氏家卜全」(うじいえぼくぜん)と推定される人物です。
作者の「歌川芳虎」(うたがわよしとら)は、江戸時代後期から明治時代にかけて活躍した浮世絵師。江戸の出身で「歌川国芳」(うたがわくによし)の門人です。武者絵や大首絵を得意とし、その他にも横浜絵、開化絵を数多く手掛けました。
■コラム 織田信長と刀剣
織田信長は、多くの日本刀を所持したと伝えられています。そのうちいくつかは現存しており、「長谷部国重」(はせべくにしげ)作の「へし切長谷部」は特に有名。国宝に指定されている名刀です。