- 合戦浮世絵
- 合戦絵とは
うたがわくにさだ さく「しんしゅうかわなかじまたけだうえすぎわぼくのず」 歌川国貞 作「信州川中嶋武田上杉和睦圖」 /ホームメイト

本合戦浮世絵は、1553年(天文22年)から1564年(永禄7年)にかけて「武田信玄」と「上杉謙信」が繰り広げた「川中島の戦い」を描いた絵図。
5枚1揃いの絵図で、向かって右側が上杉謙信の陣営、左側が武田信玄の陣営です。中央を流れる川は「千曲川」。上杉謙信は、武田信玄と和睦を結んで戦いを終わらせるために下馬していますが、一方で武田信玄は騎乗したまま上杉謙信を挑発する様子が描かれています。
なお、川中島の戦いを舞台にした作品では、上杉謙信が騎乗、武田信玄が床几(しょうぎ:折り畳み式の腰掛)に座す姿で描かれるのが一般的。本合戦浮世絵は、それが逆転しているため、非常に珍しい構図と言えます。
本合戦浮世絵の作者は、江戸時代に活動した浮世絵師「歌川国貞」。歌川国貞は、3代目「歌川豊国」として知られる人物です。様々な分野の浮世絵を手掛け、中でも役者絵は師である初代歌川豊国を超えた名画と評されました。
1827年(文政10年)頃から使用している号「香蝶楼」(こうちょうろう)は、歌川国貞が尊敬していた江戸時代中期の画家「英一蝶」(はなぶさいっちょう)の「蝶」と、英一蝶の本名「信香」(のぶか)の「香」から取って付けたと言われています。