- 合戦浮世絵
- 合戦絵とは
うたがわくによし さく「ぎとらほんもうをとげぼぜんへたむけのず」 歌川国芳 作「義徒等本望を遂墓前へ手向けの圖」 /ホームメイト

本浮世絵は、江戸時代の元禄年間(1688~1704年)に起きた「忠臣蔵」(ちゅうしんぐら)の名称で知られる「赤穂事件」(あこうじけん)の一場面を描いた絵図。
赤穂事件とは、播磨国(現在の兵庫県西部)の赤穂藩主「浅野長矩」(あさのながのり)が、江戸城で高家(こうけ:儀式や典礼を司る役職)の「吉良上野介」(きらこうずけのすけ)に斬りかかったことをきっかけに起きた討ち入り事件のこと。浅野長矩が吉良上野介へ斬りかかった理由は不明ですが、この事件により浅野長矩は幕府から切腹を命じられます。
主君を討たれた赤穂浪士達(赤穂藩士47名)は、吉良上野介の邸内へ乱入。吉良上野介の首を討ち取ると、浅野長矩が眠る「泉岳寺」へ運んで墓前に供えたと言われており、本浮世絵の中央では、赤穂浪士が吉良上野介の首を井戸で洗う様子が描かれています。
本浮世絵の作者は、江戸時代末期に活躍した浮世絵師「歌川国芳」(うたがわくによし)。歌川国芳は、躍動感のある英雄や武将を題材にした「武者絵」で人気絵師となり、浮世絵3枚を一図として描く、新たな浮世絵様式を生み出しました。