- 行列浮世絵
うたがわよしとら さく「とうかいどうめいしょずえ」 歌川芳虎 作「東海道名所圖会」 /ホームメイト

本行列浮世絵は、江戸日本橋から始まり京の三条大橋まで続く、東海道の全景を12枚続きで描いた「歌川芳虎」(うたがわよしとら)の大作です。
12枚の絵図内には、東海道五十三次の宿場町が鳥瞰図的な視点で描かれています。道中には、江戸幕府14代将軍「徳川家茂」(とくがわいえもち)の大名行列の様子が全編に渡って描かれており、約230年ぶりの将軍上洛を記念して、本行列浮世絵以外にも同様の主題を持った浮世絵が多く描かれました。
当時、出版統制により将軍をそのまま浮世絵に描くことが禁止されていたため、本行列浮世絵は1190年(建久元年)に行われた「源頼朝」の上洛に仮託して描かれたものです。大名行列が手にしている旗には、徳川家の家紋だけでなく源氏の家紋「笹竜胆」(ささりんどう)が大きく描かれています。
作者・歌川芳虎は、江戸時代末期から明治時代にかけて活躍した浮世絵師。「武者絵」や「役者絵」を得意とした他、明治維新前後には、「横浜絵」や「開化絵」を多く描き、人気を博しました。また、1867年(慶応3年)のパリ万博では「美人画」を描くなど、幅広い活躍をしています。