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うたがわよしとら さく「とくがわしょうぐんかふ」 歌川芳虎 作「徳川将軍家譜」 /ホームメイト

本武者絵の画面いっぱいに描かれているのは、江戸時代を通じて日本を支配していた、徳川将軍15代すべての武将達。「徳川将軍家」(=徳川宗家)の祖である「徳川家康」は、1603年(慶長8年)に、征夷大将軍(せいいたいしょうぐん)に就任。
武家政権として「江戸幕府」を開いて「幕藩体制」(ばくはんたいせい:江戸幕府を中心に、それぞれに領地を持つ諸藩を地方に置いた封建的な政治体制のこと)を敷き、15代将軍「徳川慶喜」(とくがわよしのぶ)が1867年(慶応3年)に行なった「大政奉還」(たいせいほうかん:江戸幕府の統治権を、朝廷に返上した出来事)に至るまで、260年余りものあいだ、戦のない太平の世を存続させました。
本武者絵中央の徳川家康の周りを、その子孫である代々の徳川将軍達が取り囲んでおり、各将軍の特徴が詳細に描かれています。
例えば、カメラでの写真撮影を始め、当時としてはモダンな趣味を持っていた徳川慶喜が洋装であったり、幕政のほとんどを老中の「松平定信」(まつだいらさだのぶ)に任せっきりにしていた11代将軍「徳川家斉」(とくがわいえなり)は、半纏(はんてん)を羽織った着流し姿であったりするなど、それぞれの個性をよく捉えて描かれたことが窺えるのです。
本武者絵を手掛けた「歌川芳虎」(うたがわよしとら)は、師の「歌川国芳」(うたがわくによし)のように、武者絵に抜きんでた才能を発揮した浮世絵師。幕末頃から明治時代初期に人気を博し、武者絵以外にも「横浜絵」や「美人画」など、多岐に亘るジャンルで活躍しました。