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うたがわくにまさ さく「にちろせんそうがほうそのはち わがせっこうたいのゆうせん」 歌川国政(五代) 作「日露戦争画報其八 我斥候隊ノ勇戦」 /ホームメイト

本戦争浮世絵は、日露戦争で結成された「建川挺進斥候隊」(たてかわていしんせっこうたい)の活躍を描いた作品。
建川挺進斥候隊とは、大日本帝国陸軍軍人「建川美次」(たてかわよしつぐ)を隊長とする斥候隊(情報を得るために敵軍の偵察を行う少数部隊)のこと。隊長を含め、わずか5名の精鋭達は約1,200kmを馬で駆け抜け、日露戦争の決戦「奉天会戦」の勝利に貢献しました。
この活躍は日本中で話題となり、1930年(昭和5年)には陸軍軍人で作家の「山中峯太郎」(やまなかみねたろう)が「敵中横断三百里」というタイトルで小説化。その後、1957年(昭和32年)には敵中横断三百里をもとにした映画「日露戦争勝利の秘史 敵中横断三百里」が上映されました。
本戦争浮世絵の制作者は、「竹内柳蛙」(たけうちりゅうあ)や「梅堂小国政」(ばいどうこくにまさ)などの別名で知られる、明治時代の浮世絵師「5代目歌川国政」。5代目歌川国政は、風景画や役者絵の他、日露戦争の絵を多く手掛けたことで知られています。
■本浮世絵で描かれている刀剣
本戦争浮世絵で描かれている刀剣は、「サーベル式軍刀」と呼ばれる軍刀。時代や状況にもよりますが、日本においては、すべての軍人が軍刀を佩用(はいよう:腰から下げること)したわけではありません。軍刀の所持が認められていたのは一部の兵科に属した者や、将校・士官などの階級が高い軍人だけでした。