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かわさきぐんそうたんしんだいどうこうわたる 川崎軍曹渡単身大同江 /ホームメイト

本戦争浮世絵の舞台は日清戦争(にっしんせんそう)。朝鮮の支配をめぐって、日本と清国の間で行われた戦争です。
描かれているのは、川崎伊勢雄(かわさきいせお)軍曹。
本浮世絵上部の詞書によると、1894年(明治27年)9月3日の夜、日本軍の斥候隊(せっこうたい:偵察隊)は平壌を目指そうとしていましたが、長雨が続いたあとのため、大同江(だいどうこう:北朝鮮の川)が濁流となり、立ちはだかっていました。馬で乗り入れる者や泳いで対岸に進もうとする者もありましたが、濁流の前に為す術もありません。
これを見た川崎軍曹は軍服を脱ぐや、剣を口にくわえて濁流に飛び込みます。激しい流れを物ともせず、抜手を切り(ぬきてをきり:クロールで)、2,000mの大河を苦もなく北岸に泳ぎ着きました。そして、敵弾が雨のように降り注ぐ中、素早く敵の船を奪って無事引き返したのです。
斥候隊は、川崎軍曹の勇気と豪胆さに嘆賞したと伝わります。