- 戦争絵
- 戦争絵とは
ようさいのぶしげ さく「だいにほんだいしょうり くれんじょうかんらくのず」 揚斎延重 作「大日本大勝利 九連城陥落之図」 /ホームメイト

本戦争浮世絵に描かれているのは、日清戦争(にっしんせんそう)。朝鮮の支配をめぐって日本と清国(中国)の間で起きた戦争です。
明治27年(1894年)1月、朝鮮では、東学党(とうがくとう:新興宗教のひとつ)率いる民衆が、政府の圧政に憤慨して蜂起し、朝鮮全土に反乱が拡大しました。朝鮮政府は自力で反乱を鎮圧できず、清国に援軍を頼みます。日本は天津条約に基づいて清国に対抗し、日本人居留民(きょりゅうみん)保護を理由に出兵します。同年8月1日、日本は清国へ宣戦布告。
本戦争浮世絵の舞台は、1894年10月26日の「九連城の戦い」。サーベルを挙げて指揮する日本兵が描かれています。実際は日本軍が九連城(くれんじょう:現在の中国遼寧省、鴨緑江沿いにある町。日露戦争でも戦場となった。)を包囲して総攻撃を開始しますが、城内に踏み込むと清国軍はすでに撤退したあとで、九連城は無血制圧となりました。
本戦争浮世絵の作者、揚斎延重(ようさいのぶしげ)は、楊洲周延(ようしゅうちかのぶ)の門人で明治時代に活躍し、主に日清戦争や日露戦争の戦争浮世絵を描いています。