- 戦争絵
- 戦争絵とは
ようさいのぶかず さく「へいじょうだいげきせんのず」 楊斎延一 作「平壌大激戦之図」 /ホームメイト

本戦争浮世絵の舞台は、日清戦争(にっしんせんそう)。日清戦争は朝鮮の支配権をめぐる日本と清国(中国)との間で起きた戦争です。
明治27年(1894年)1月、朝鮮では東学党(とうがくとう:新興宗教のひとつ)を中心とした農民が反政府運動を起こし、内乱は朝鮮全土に広まりました。朝鮮政府は内乱を鎮圧できず、清国へ援軍を依頼します。日本は清国に対抗し、日本人居留民(きょりゅうみん)保護を理由に出兵。しばらく交渉状態が続きますが、同年8月1日、日本は清国へ宣戦布告しました。
本戦争浮世絵では、1894年9月15日、最初の本格的な陸上戦となった「平壌の戦い」(へいじょうのたたかい)が描かれています。銃剣(じゅうけん:銃の先に刀剣を付けた物。接近戦では槍として使用できる)を構えたり、サーベルを振り上げたりしている日本軍が優勢である描写です。日本軍の死傷者686人、清軍の戦死は約2,000人と伝わっています。
本戦争浮世絵の作者、楊斎延一(ようさいのぶかず)は、楊洲周延(ようしゅうちかのぶ)の門人で、本名は渡辺次郎。明治時代に活躍し、「日清戦争」「日露戦争」(にちろせんそう)の戦争浮世絵の他、「帝国議会議事堂之図」「東京名所」などの連作を描いています。