- 戦争絵
- 戦争絵とは
うたがわくにまさ さく「じょうとうへいおのぐちとくじ
きんしゅうじょうかんらくのず」
歌川国政(五代) 作「上等兵小野口徳重
金州城陥落之図」 /ホームメイト

本戦争浮世絵の舞台は、日清戦争(にっしんせんそう)。朝鮮の支配権をめぐる日本と清国(中国)の間で起きた戦争です。
明治27年(1894年)1月、朝鮮では東学党(とうがくとう:新興宗教のひとつ)の指導下で農民が反政府運動を起こし、内乱は朝鮮全土に拡大しました。朝鮮政府は自力で反乱を鎮圧できず、清国へ援軍を頼みます。天津条約に基づいて、日本は清国に対抗し、日本人居留民(きょりゅうみん)保護を理由に出兵。しばらく交渉と小競合いが続きますが、同年8月1日に日本が清国へ宣戦布告しました。
本戦争浮世絵には、1894年秋の金州城(きんしゅうじょう)での戦いが3枚1組で描かれています。1894年10月24日に大山巌(おおやまいわお:軍人。政治家。西郷隆盛の従弟)率いる日本軍が金州に上陸し、11月6日に金州城を占領しました。
本戦争浮世絵の作者、小国政(こくにまさ)は、父である歌川国貞(三代)(うたがわくにさだ:歌川国政(四代)と同一人物)に学び、明治時代に活躍した浮世絵師です。画号は小国政・梅堂・楳堂・香朝楼など。のちに日本画家・飯島光蛾(いいじまこうが)の門弟となり、竹内柳蛙(たけうちりゅうあ)と名乗りました。歌川国政(五代)と同一人物と考えられています。風俗画や宮廷画の他、日清戦争・日露戦争などを描きました。