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あだちぎんこう さく「りょじゅんこうふきんだいげきせん」 安達吟光 作「旅順口附近大激戦」 /ホームメイト

本戦争浮世絵は、日清戦争(にっしんせんそう)における「旅順」(りょじゅん)での戦闘を描いています。旅順は遼東半島(りょうとうはんとう/りゃおとんはんとう)で中国遼寧省南部の半島。古くから海上交通の要地であり、1870年代から要塞が築かれ、軍港として発展しました。
1894年(明治27年)11月21日、日本軍は清国軍の拠点であった旅順要塞を攻撃します。日清両軍は激しい戦闘を行いますが日本軍が要塞を占領し、旅順は陥落しました。
画面中央の刀を手に持ち、馬に乗っている人物と、木の根元で腰をかがめて銃を構えているのが日本軍の兵士。左側の青い軍服を着ているのは清国軍の兵士達です。清国軍の兵士達はみな背を向けており、白い馬に乗った兵士は撃たれたのか刀を取り落として今にも落馬しそうになっています。日本軍の激しい攻撃から必死に逃げる様子がうかがえる作品です。
作者の安達吟光(あだちぎんこう)は明治時代に活躍した浮世絵師。本名は安達平七、初号は松雪斎銀光(しょうせつさいぎんこう)、のちに吟光と改めます。日清戦争などの戦争絵、役者絵などを手がけました。