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うたがわくにまさ さく「にちろけいじょうにこうげきす」 歌川国政(五代) 作「日露京城ニ攻撃ス」 /ホームメイト

本戦争浮世絵は、1904年(明治37年)に勃発した「日露戦争」において、日本陸軍が現在の韓国の首都「京城」(ソウル)を攻撃している様子を描いた浮世絵です。小高い丘の上から大砲を用いて京城を砲撃する日本兵と、その将官の様子が描かれています。
日露戦争が開戦した2月、日本陸軍は朝鮮半島の仁川(じんせん/インチョン)に上陸し、京城に入ります。すぐさま漢城を制圧した日本陸軍は、朝鮮半島において軍事行動を行う権限を得るため、大韓帝国と「日韓議定書」を締結しました。
作者の「歌川国政(五代)」は明治時代に活躍した浮世絵師で、「柳蛙」(りゅうあ)、「梅堂」などとも号しました。父「歌川国政(四代)」に師事し、さらに1895年(明治28年)以降は四条派に入門し、日本画も修得。日露戦争絵の他、「日清戦争」を題材とした浮世絵も描いています。
■コラム 浮世絵に描かれた刀剣
日露戦争当時、日本兵が用いていた軍刀は、1886年(明治19年)に明治天皇からの勅令で制定された軍刀が用いられていました。この軍刀のうち、指揮刀は西洋風の片手握りでしたが、一般的な軍刀はサーベル風の柄に日本古来の製法で作られた刀を仕込んだ、両手握りが採用されていたのです。