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うたがわくにまさ さく「にちろけいじょうのこうげき」 歌川国政(五代) 作「日露京城ノ攻撃」 /ホームメイト

本戦争浮世絵は、「日露戦争」の様子を描いた「戦争絵」と呼ばれるジャンルの浮世絵です。
1904年(明治37年)に開戦した日露戦争は、2月に行われた海軍による「仁川沖海戦」から幕を開けました。その後、戦略の要点となる朝鮮半島を確保するため、日本陸軍が仁川(じんせん/インチョン)に上陸。およそ30㎞離れたところにある京城(ソウル)に進撃し、制圧しました。本浮世絵は、日本軍が京城を攻撃している様子を描いています。
本浮世絵を描いた「歌川国政(五代)」(うたがわくにまさ)は、父である「歌川国政(四代)」に師事し、明治時代に活躍した浮世絵師です。はじめは「梅堂」や「小国政」などの号を称していましたが、五代目歌川国政を襲名。日本画の著名な流派である四条派を学んだあとは、「竹内柳蛙」(たけうちりゅうあ)とも号しました。本浮世絵も「柳蛙」の落款が記されています。
■コラム 浮世絵に描かれた刀剣
1899年(明治32年)、騎兵などの下士官の軍刀として「三十二年式軍刀」が支給されるようになりました。本浮世絵にも見られるように、騎兵用のものは刀身が長く、護拳(ごけん:柄にある手を防護する部位)の内側に革製の指ぬきが付けられています。