- 戦争絵
- 戦争絵とは
ようさいのぶかず さく「くれんじょうだいげきせんのず」 楊斎延一 作「九連城大激戦之図」 /ホームメイト

「九連城大激戦之図」は、1894年(明治27年)から1895年(明治28年)にかけて行われた「日清戦争」における陸戦のひとつ「鴨緑江作戦」(おうりょくこうさくせん)を描いた3枚続きの戦争絵です。
日本軍は朝鮮と清国の国境にある鴨緑江に橋を架け、清国領内に進攻。清国軍は迎え撃ち、激しい戦闘が行われますが、日本軍の猛攻に耐えかねた清国軍は退却し、日本軍は「九連城」を制圧しました。
中央奥にはかつて桑名藩士であった陸軍歩兵第10旅団長「立見尚文」(たつみなおふみ)少将が、右側には「佐藤正」(さとうただし)大佐が描かれています。立見尚文少将は幕末から明治において最高の指揮官と言われ、日清戦争ののちに勃発した「日露戦争」においては陸軍中将として第8師団を率いました。
本戦争絵を描いたのは、明治時代に活躍した浮世絵師「楊斎延一」(ようさいのぶかず)です。美人画を得意とした江戸時代から明治時代にかけての浮世絵師「楊洲周延」(ようしゅうちかのぶ)の門人で、日清戦争や日露戦争などの戦争絵を多く手掛け有名となりました。その他、師の得意とした美人画や風俗画、名所絵なども描いています。
■浮世絵に描かれた刀剣
鴨緑江作戦が行われた1894年(明治27年)の陸軍は、国産小銃としてはじめて開発された村田銃を用いていました。村田銃の先端には「銃剣」と呼ばれる短剣が装着され、兵士達は敵を突き刺すなど、槍のように扱いながら近接戦闘をこなしていたとされます。