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うたがわひろしげ さく「とうかいどうごじゅうさんつぎのうち かめやま ゆきばれ」 歌川広重 作「東海道五拾三次之内 亀山 雪晴」 /ホームメイト

本浮世絵は、浮世絵師 「歌川広重」が制作した作品「東海道五十三次絵」のひとつ、三重県亀山市にある「亀山宿」で描いた「雪晴」(ゆきばれ)という絵図です。東海道五十三次46番目の宿場町「亀山宿」へ訪れた広重は、雪の積もった亀山宿と「亀山城」の門、そして急な傾斜を登る大名行列を描写しました。
亀山城は、1265年(文永2年)に築城され、別名「粉蝶城」(こちょうじょう/ふんちょうじょう)とも言います。築城主は、伊勢国(いせのくに:現在の三重県鈴鹿市)の豪族「関実忠」(せきさねただ)。江戸時代の亀山城は、鈴鹿峠を押さえる交通の要衝として発展しました。幕府御用達の宿泊施設としても機能しており、上洛に際して「徳川家康」や「徳川家光」など、歴代の征夷大将軍が本丸を休宿に利用。その後、明治時代に入ると、亀山城は廃城令により天守を含めた大部分を取り壊されました。
なお、現在も亀山城に残っている数少ない遺構のひとつに「多聞櫓」(たもんやぐら)があります。横に長い長屋状の建造物で、三重県下において当時のままの姿で残る貴重な遺構となっており、本丸の南東にある天守台と多聞櫓を併せて「旧亀山城多門櫓」(きゅうかめやまじょうたもんやぐら)の名称で、1953年(昭和28年)に三重県指定史跡に指定されました。