- 名所浮世絵
- 名所絵とは
うたがわひろしげ さく「とうかいどうごじゅうさんつぎのうち くわな
しちりわたしぐち」
歌川広重 作「東海道五拾三次之内 桑名
七里渡口」 /ホームメイト

本浮世絵は、浮世絵師「歌川広重」が制作した作品「東海道五十三次絵」のひとつ、三重県桑名市の「桑名宿」で描いた「七里渡口」(しちりのわたしぐち)という絵図です。
東海道五十三次42番目の宿場町「桑名宿」は、揖斐川(いびがわ)の河口にあり、古くから港町として発展してきました。 「七里渡口」は、東海道五十三次のひとつ「宮宿」(みやじゅく:愛知県名古屋市熱田区にあった宿場町)から桑名宿までの海路のことです。
名称の由来は、その移動距離。東海道の中でもしばしば海難事故が起こるため、難所のひとつとも言われていました。なお、宮宿と桑名宿は、東海道屈指の渡船場として賑わった宿場町でもあります。旅籠屋(はたごや:旅人のための宿泊施設)の数は、共に東海道で1位と2位を争うほどでした。
桑名宿の町並み整理にあたった人物に、徳川四天王のひとり「本多忠勝」がいます。本多忠勝は、「関ヶ原の戦い」ののちに伊勢国桑名藩の藩主となり、桑名城を増改築し、大規模な町割りを実施。多くの戦場でほとんど傷を負わなかったと言う名将・本多忠勝は、戦上手であっただけではなく、藩政においても優れた指揮を執りました。
桑名城跡にある「九華公園」(きゅうかこうえん)には現在でも、本多忠勝の偉功を称えて建てられた本多忠勝像があり、桑名市民からは名君として慕われています。