- 名所浮世絵
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うたがわひろしげ さく「ろくじゅうよしゅうめいしょずえ いが うえの」 歌川広重 作「六十余州名所図会 伊賀 上野」 /ホームメイト

本名所浮世絵は、全国各地の名所を描いた「六十余州名所図会」(ろくじゅうよしゅうめいしょずえ)というシリーズのひとつ。本作では、伊賀上野(いがうえの:現在の三重県伊賀市)の風景を描いています。
本名所浮世絵では、深い緑に囲まれた、穏やかな城下町の様子が描かれました。画面左上部、山の麓に見えるのが伊賀上野城です。はじめ、1585年(天正13年)に戦国武将「筒井定次」(つついさだつぐ)が築城するものの改易となります。その後、築城の名手であった「藤堂高虎」(とうどうたかとら)が拡張しました。
画面下部の橋を渡り、城へ続く道の途中には木戸があります。道行く人々は小さく描かれ、表情までうかがい知ることはできません。しかし、どことなくゆったりとした雰囲気が感じられます。
作者の「歌川広重」(うたがわひろしげ)は、幕末に活躍した人気浮世絵師。「葛飾北斎」(かつしかほくさい)と並ぶ風景版画の名手です。街道絵や名所絵など、多数の作品を手がけています。なかでも、代表作である保永堂版「東海道五十三次之内」(ほえいどうばん「とうかいどうごじゅうさんつぎのうち」)は大人気となりました。
