- 武将浮世絵
- 武者絵とは
つきおかよしとし さく「だいにほんめいしょうかがみ あしかがよしみつこう」 月岡芳年 作「大日本名将鑑 足利義満公」 /ホームメイト

本武将浮世絵の画題は、室町幕府三代将軍「足利義満」(あしかがよしみつ)と金閣です。「金閣寺」として広く知られるこの建物は、正確には鹿苑寺(ろくおんじ)の舎利殿(しゃりでん:釈迦の骨や遺灰を祀るお堂)のことを指します。
本武将浮世絵で舎利殿を仰ぎ見ている足利義満は、時期的にはすでに出家しているはずですが、剃髪前の若々しい姿で描かれています。
足利義満は50年以上に及んだ南北朝の分裂を統合して、有力守護大名の勢力を抑え、室町幕府の最盛期を築いた剛腕政治家。また、明(みん)との朝貢貿易で富を築いた経済人でもありました。金閣の建築は全面を覆う金箔が目立ちますが、様式も奇抜で、1階が寝殿造風、2階が書院造風、最上階は禅宗建築風といった公家・武家・宗教の折衷様式。まさに足利義満の超越的な権力を象徴する建物なのです。
武家と公家の文化を融合させたり、禅宗と中国文化を掛け合わせたりといった折衷的な文化がこの時代に開花し、北山文化と呼ばれますが、金閣はその代表的な建造物だと言えます。
本武将浮世絵の作者は、江戸時代末期から明治時代初期まで活躍した浮世絵師「月岡芳年」(つきおかよしとし)。月岡芳年は、美人画、歴史絵、役者絵など多種多様な浮世絵を手掛けました。本作の「大日本名将鑑」は、歴史上の偉人や英雄のシリーズ作品です。
■足利義満と刀剣
室町時代になると刀剣を贈答品として使用する風習が広まりつつあり、足利義満は、将軍家から下賜するのに適した刀剣を、鑑定家の宇都宮三河入道(うつのみやみかわにゅうどう)に命じて選定させました。この時選ばれた60人の刀工は「可然物」(しかるべきもの)として名が残されています。
