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みぎたとしひで さく「めいよじゅうはちばん じしんかとう」 右田年英 作「名誉十八番 地震加藤」 /ホームメイト

本武将浮世絵は、歌舞伎作品「地震加藤」の名場面を描いており、この演目は歴代「市川團十郎」(いちかわだんじゅうろう)の当たり役を指す「歌舞伎十八番」のひとつです。このため、画題に歌舞伎十八番の別称「名誉十八番」(めいよじゅうはちばん)が入っています。
地震加藤は、1596年(文禄5年/慶長元年)に発生した「慶長伏見地震」(けいちょうふしみじしん)の際に、「豊臣秀吉」に謹慎を言い渡されていた「加藤清正」(かとうきよまさ)が、真っ先に豊臣秀吉のもとに駆け付け、救出したと言う伝承を歌舞伎化した作品です。
本武将浮世絵の画面左が加藤清正、右が豊臣秀吉、背景には火の手が上がっており、この震災が甚大だったことを物語っています。なお、劇中の加藤清正は、忠義を尽くしたことで豊臣秀吉に許され、謹慎を解かれることになるのです。
本武将浮世絵を描いたのは、明治時代から大正時代にかけて活躍した「右田年英」(みぎたとしひで)です。浮世絵を「月岡芳年」(つきおかよしとし)に、油絵を「国沢新九郎」(くにさわしんくろう)に学んだ経歴を活かし、優美な美人画や、迫力ある戦争絵を手がけました。
■浮世絵に描かれた刀剣
加藤清正の愛刀「日光助真」(にっこうすけざね)は、鎌倉時代の名工で、備前国福岡一文字派の「助真」の最高傑作と言われています。加藤清正から徳川家康に献上されたのち「日光東照宮」に祀られ、1951年(昭和26年)、国宝に指定されました。