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つきおかよしとし さく「しずがみねだいがっせんのず」 月岡芳年 作「賤ヶ峯大合戦之図」 /ホームメイト

本合戦浮世絵の作者である「月岡芳年」(つきおかよしとし)は、「血まみれ芳年」の異名を取るほど、無惨絵を得意としていたことで有名な浮世絵師です。
本合戦浮世絵で描かれているのは1583年(天正11年)、「羽柴(豊臣)秀吉」と「柴田勝家」(しばたかついえ)のあいだで起きた「賤ヶ岳の戦い」(しずがたけのたたかい)。秀吉方であった「加藤清正」(かとうきよまさ)が「佐久間盛政」(さくまもりまさ)軍を襲撃する際、槍(やり)で討ち取った敵将の首を生笹の枝に刺すよう郎党に命じ、それを指物(さしもの)として立て、敵陣に突っ込んで恐れさせたという場面です。
芳年の師である「歌川国芳」(うたがわくによし)にも同じ題材の作品がありますが、芳年は国芳のそれよりもひとつひとつの首を大きく、またその表情を生々しく描いており、不気味さの中にも迫力が感じられ、芳年の本領が存分に発揮されています。