- 武将浮世絵
- 武者絵とは
えんろうさいしげみつ さく「げんぺいやしまのたたかいになすのよいち
むねたかおうぎのまとをいおとしててんかにこうみょうのず」
遠浪斎重光 作「源平八嶋のたゝかひに那須の与市
宗高扇のまとをゐをとして天下に高名の図」 /ホームメイト

本武将浮世絵は、「屋島の戦い」において「那須与一」(なすのよいち)が扇の的を射たという逸話を題材にした作品です。これは、「平家物語」(へいけものがたり:「源平合戦」を描いた軍記物語。成立年代・作者は未詳)の有名な場面となっています。
屋島の戦いは、源平合戦(1180年[治承4年]から1185年[元暦2年]に起こった源氏と平氏の戦い。「治承・寿永の内乱」とも言う)のうち、1185年2月に讃岐国屋島(現在の香川県高松市)で行われた戦いのこと。この戦いで、源氏の大将「源義経」は平家を破りました。
画面中央で馬に乗り、弓を構えているのが、弓の名手として名高い那須与一。遠くに見える平氏の船に掲げられた扇を射抜こうとしています。陸にいるのは源氏の武将達です。槍や日本刀を携えて、那須与一が弓を射る様子を見守っています。
作者の「遠浪斎重光」(えんろうさいしげみつ)は江戸時代末期の浮世絵師。師は江戸時代後期の浮世絵師「柳川重信」であると言われていますが、定かではありません。「葛飾北斎」風の武者絵を手掛けています。
■コラム 浮世絵に描かれた刀剣
那須与一や陸にいる武将達を観ると、腰から刀剣を下げています。これは「太刀」です。刃の長さはだいたい80㎝前後で、身に着けるときは刃を下にします。